生まれながらに持っている色

アーティストにになるため

人には生まれながらに持っている色があるって知っていますか?
その人の性格の一部なのかもしれません。
以下は私の体験から出た仮説ですご理解ください。

イラストを描く会社にいたころの話です。
毎日毎日絵を描いていると、
そうですね、
毎日、水彩絵の具で風景画を描いてると思っていただけるとわかりやすいと思います。

何枚も描いていると、人それぞれ癖と言っていいのか性格なのか、
その人独特の雰囲気の 絵が出来上がります。空はこの系統の色、樹木はこの系統といった感じです。
得意な色といったほうがよいかもしれません。
そしてその色をベースに発展させてさらに良い絵をめざします。


そして絵を描く会社ですから当然、会社には絵の具のストックがあり使い放題です。
パレットに入れる絵の具もあれこれ悩んで、人それぞれだいたい決まってきます。

ある時、凄く急ぎで仕上げなければならない仕事の依頼がありまして私が担当になりました。
着色の時間は数時間しかありません。
そして私のいつも使い慣れている色が在庫切れでお気に入りのグリーンとブルー2色がありません。
しかし早く絵は仕上げなくてはなりません。
本当に余裕がなく夢中で仕上げて何とか納品しました。

なんてことはない、
いつもの私の絵のそのまんまの絵が出来上がりました。
いつも使うグリーンとブルーがなかったのですが、風景画で絵の具そのままの原色を使うことはほとんどないので、別の色で混色して使います。
好きな色が2色もないので、いつもと違う絵が出来上がるかと期待していましたが
描き始めるとそんな余裕もなく、仕上げるのが精一杯でした。
無意識に混色して自分の持っている色にしていました。
完全に出来上がりは私の絵です。
この時に、自分の色ってあるのだろうと思いました。
同様なケースを何度も体験して他の先輩、同僚を見ても同じです。
意識してまったく違った絵を描くこともありしたが時間がかかって凄く疲れた記憶があります。
脳が疲れたのだと思います。
荷物を運ぶ肉体労働ではありませんので身体はそれほど疲れません。
なにせ、筆より重いものが持てない人の集まりの会社でしたから(笑

この時大きな発見をしました。

人は生まれながらに使いやすい色を持っている。
その範囲外の色を使うと、脳が疲れる。

これらのことが解っていると絵の見方も変わってきます。

ある特定の人の絵が好きで、個展に行くことはありますか?
何回も見ているとその人の持っている色がわかると思います。
描く内容は変わりますが色たいてい同じ系統の色です。
それが、その人の個性です。それでお客様を呼べるのです。
それでもなおチャレンジして、全く違っている色の絵を展示する意気込みがあったら、
一味違う「考えてチャレンジしている画家」です。
見守って応援してあげましょう。

人は脳が疲れるのを極端に嫌う生き物です。
脳はたくさんのエネルギーを使いますから、生物としてそれは本能で避けたいのです。
変わった絵に挑戦するばかりが良いとは限りません。
自分の持っている色を最大限に利用するのが良いかもしれません、その人そのものの色ですから。
何が良いかわかりませんが、それを試すそのものがアートのような気がいたします。
私は今はチャレンジするアーティストになりたいです。


色を使うアーティストのかたに参考になったらうれしいです。

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