水彩は手軽にできる
水彩はほとんどの人が小学校で描いたことがある技法です。
誰でもすぐに始められる描き方ですね。
油絵とかアクリル画は。ちょっと専門的で・・・というかたは多いと思います。
小学校で習った描き方で簡単なスケッチから大きな繊細な作品までできるのですから、楽しいです。
作品の魅力は、「にじみ」、「ぼかし」、「重ね塗り」
水彩画の作品の魅力は簡単に言うと「にじみ、ぼかし、重ね塗り」の美しさです。
水で溶いて描きますから、にじませたりかすれさせたり、
たいしたテクニックもなく、少し練習すれば誰でもできます。
わかりやすいのが書道をやったことがある人は、墨汁がよく混ざっていなくて、にじんだり、筆を早く動かしてかすれたり、経験ありませんか?
水墨も水彩も同じようなものです。
それでは水彩の達人はなぜかっこよく描けるのか?
それは絵の具について理解するとわかりやすいと思います。
絵の具あれこれ
ものすごーく簡単な絵の具の話です。極端に端折って説明します。
色の元になっている粉はみんな一緒です。
それに油絵の具のもとを混ぜると、油絵の具になり、
アクリル絵の具のもとを混ぜるとアクリル絵の具になります。
日本画では日本画のもと(膠-にかわ)をまぜて日本画用絵の具をつくります。
そして水彩絵の具のもと(アラビアゴム)を混ぜると水彩絵の具になります。
絵の具の色のもとはだいたい同じで混ぜる物によっていろいろな絵の具になります。
これらのうち油絵の具以外は水で薄めて使います。
水彩絵の具について
その水彩絵の具の中にも大きく分けて2種類あります。
透明水彩絵の具と不透明水彩絵の具です。
幼稚園のときにクレヨンで描いていて少し上級者になるとパステルを買ってもらう友達がいました。
クレヨンの進化版がパステルのように不透明水彩の進化版が透明水彩になります。
不透明水彩絵の具にはガッシュ、ポスターカラーなどがあり、用途により使い分けます。
アニメの背景などに使われたりします。
文字通り不透明で厚く塗り重ねると下の色を隠せる、覆い隠す事ができるということです。
小学校で使われていたのも不透明水彩です。
透明水彩は透明で極端にいうと塗り重ねると下の色が透けて見えるということです。
色付きフィルムを重ねていくような感じです。
透明であるがゆえに、重ねることによって微妙な色合いが生まれたり、画面上でまざりあったり、にじんだりして美しい作品が生まれます。
正直に言うと透明水彩のほうが不透明水彩より簡単です。
私は小学校のときに透明水彩を使えば絵を描く人が増えたのではと思っています。
小学校の時の不透明絵の具では、どうもうまくいきません。
不透明水彩にはそれに適した描き方があります。
ジブリの背景などがそうです。
素晴らしいです。
透明水彩でいたずら書きをしてみました。
おわかりいただけるとよいのですが「にじみ」、「ぼかし」、「重ね塗り」。
水彩は気軽なスケッチから大きな本気の作品までいろいろあります。
そんな三要素など気にしていない絵のほうが多いくらいです。
でも、水彩を描くとき、鑑賞するとき、
「にじみ、ぼかし、重ね塗り」は魅力的に生かされているか?
少し考えてください。
このこだわりが、心にしみて理解できたとき、もうアーティストです。
楽しんでくださいね。
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